6月の一口忘備録☔️
※ネタバレを含みます。
①天使の囀り 貴志祐介
心底気持ち悪かった。アマゾンの奥地に発生していた未知の寄生虫に調査隊の1人が感染してしまう。寄生されると人はそれぞれが忌避するものに対する恐怖や危機感を失い命を落とす。
寄生虫の描写の気持ち悪さと言ったら。銭湯で大勢が喰い殺されているシーンなど悲惨や悲惨。
細菌パニックならぬ寄生虫パニックは目新しかった。
②アリス殺し 小林泰三
メルヘンシリーズの一作目!小林泰三といえば玩具修理者と大きな家の小さな密室しか読んだことないのだけど、めちゃくちゃ癖のある作家さんだと思ってる。最初は序盤の屁理屈揚げ足取りの応酬に辟易したけど、慣れると中々おもしろい。
ただ非常にグロい。玩具修理者もとんでもなくグロかったけど、あれは梅雨のような鬱々としたグロさだったのに対して、本作は暴力的なグロさである。
ご多分に漏れずビルのファンなのでクララ殺しも読むぞ。
③プレゼント 若竹七海
静かな炎天が結構好きだったので、葉村晶シリーズに手をつけようと思い短編の本作を選んだ。
やっぱりこの黒胡椒のようなブラックさが癖になる。人間の悪意が当たり前のように平然と存在する。
個人的にはトラブルメイカーが好き。
④夏への扉 ロバートAハイライン
ずっと表紙に惹かれて読みたいなあと思ってた作品。猫好きに送るタイムトラベルの名作とのことだったが、思ったほど猫々してなかった。もちろんピートは最高だったけど。
話の展開はすんなり読めるが、頭脳と行動力で数々の困難に立ち向かう主人公が良かった。ここまで行動的な主人公って珍しいかもしれない。
⑤ブルーローズは眠らない 市川憂人
ジェリーフィッシュは凍らないの続編。少年による不穏な回想と、青いバラをめぐる殺人。パズラー向けのトリックで、結構考えたのだけれど、その上をいくトリックで久々に本格ミステリを楽しめた。